法令・実務

介護タクシーと訪問介護「通院等乗降介助」の違い完全ガイド|料金・対象者・選び方【2026年版】

介護保険適用の有無、 1割負担と全額自己負担、 同乗できる人、 ケアマネに聞くべきこと

介護タクシーと訪問介護「通院等乗降介助」の違い完全ガイド|料金・対象者・選び方【2026年版】

結論 — 5秒で分かる違い

介護保険

介護タクシー (福祉タクシー)
❌ 適用なし (全額自己負担)
訪問介護「通院等乗降介助」
✅ 適用あり (1〜3割負担)

対象者

介護タクシー (福祉タクシー)
誰でも可 (制限なし)
訪問介護「通院等乗降介助」
要介護1以上

利用目的

介護タクシー (福祉タクシー)
制限なし (買物・冠婚葬祭・観光 OK)
訪問介護「通院等乗降介助」
通院・選挙・銀行・公的手続き等の日常生活上の外出のみ

事前ケアプラン

介護タクシー (福祉タクシー)
不要
訪問介護「通院等乗降介助」
ケアマネが計画書に記載必須

車椅子・ストレッチャー

介護タクシー (福祉タクシー)
事業者の対応車両次第 (◯)
訪問介護「通院等乗降介助」
原則は ヘルパーが介助。 車椅子そのまま乗車は事業者次第

介助範囲

介護タクシー (福祉タクシー)
乗降介助 + 院内介助 (事業者次第)
訪問介護「通院等乗降介助」
「乗降」 のみ (病院内は別サービスで対応)

家族同乗

介護タクシー (福祉タクシー)
原則 OK
訪問介護「通院等乗降介助」
原則 不可 (ヘルパー1名 + 利用者のみ)

1回あたり費用イメージ

介護タクシー (福祉タクシー)
¥3,000〜10,000 程度
訪問介護「通院等乗降介助」
¥97 / 1回 (1割負担、 介護報酬 985単位ベース)

1行でまとめると

「介助の範囲が広く・場所を選ばないのが介護タクシー」、 「通院に絞るなら安く済むのが通院等乗降介助」 です。 両者を併用している利用者も多くいます。

それぞれの定義 — そもそもどう違うか

根拠法

介護タクシー (福祉タクシー)
道路運送法 (4条 一般乗用旅客自動車運送)
通院等乗降介助
介護保険法 (訪問介護の一形態)

事業許可

介護タクシー (福祉タクシー)
国土交通省 (運輸支局)
通院等乗降介助
市町村の指定 (訪問介護事業所)

運転手資格

介護タクシー (福祉タクシー)
二種免許 + 介護初任者研修推奨
通院等乗降介助
二種免許 + ヘルパー資格 (介護福祉士・初任者研修等) 必須

請求先

介護タクシー (福祉タクシー)
利用者本人 (現金 or カード等)
通院等乗降介助
市町村の介護保険 + 利用者自己負担分

1サービスの単位

介護タクシー (福祉タクシー)
走行距離・時間で課金
通院等乗降介助
「行き」「帰り」 別カウント (片道 1単位)

「介護保険タクシー」 という呼び名は要注意

通院等乗降介助のことを通称で「介護保険タクシー」 と呼ぶことがありますが、 厳密には訪問介護の一形態であって、 タクシー (運送業) ではありません。 同じ事業者が両方の許可を持っていることが多いため混同されやすいですが、 制度上は別物として扱う必要があります。

料金の違い — どっちが安い?

近所の病院 (片道 3km・通院のみ)

介護タクシー
¥1,500〜2,500
通院等乗降介助 (1割負担)
片道 ¥97 (約 ¥194 往復)

遠方の病院 (片道 15km・院内付添い 30分)

介護タクシー
¥6,000〜8,000
通院等乗降介助 (1割負担)
片道 ¥97 + 院内付添いは別サービス

車椅子で受診 (リフト車・乗降介助)

介護タクシー
¥3,500〜5,500
通院等乗降介助 (1割負担)
車椅子そのまま乗車対応してる事業所のみ

買物・冠婚葬祭・帰省

介護タクシー
¥3,000〜10,000+
通院等乗降介助 (1割負担)
❌ 介護保険対象外

助成券の併用も視野に

自治体によっては、 介護タクシーの料金を補助する 「福祉タクシー利用券」 を発行しているところがあります (鹿児島市・福岡市・東京都目黒区 等)。 通院等乗降介助の対象外の用途 (冠婚葬祭・墓参り等) でも使えるケースが多く、 介護タクシー利用時の負担を大きく下げられます。

対象者の違い — 「使える/使えない」 で分かれる

  • 要支援1〜2 → 通院等乗降介助 ❌ / 介護タクシー ⭕
  • 要介護1〜5 → 両方 ⭕ (使い分け可能)
  • 認定なし (一般高齢者・障害者) → 通院等乗降介助 ❌ / 介護タクシー ⭕
  • 身体障害者手帳1〜2級 → 自治体の福祉タクシー助成券で介護タクシーを安く利用可能

「何に使えるか」 が大きく違う

  • 病院・診療所への通院
  • 公的機関への手続き (役所・銀行・郵便局等で、 ケアマネが必要と認めるもの)
  • 本人が出席必要な選挙の投票
  • 補装具・補聴器作製のための出張
  • リハビリ・治療目的のデイケア (介護予防通所リハ・通所リハ) は別枠で扱う

対象外になる用途

買物・冠婚葬祭・墓参り・観光・親戚訪問 などは通院等乗降介助の対象外です。 これらの用途で外出する場合は、 介護タクシーを利用するか、 家族の付き添いが必要になります。

院内介助・家族同乗 — 細かい違い

病院内の付添い (受診室まで・会計まで)

介護タクシー
事業者の対応次第。 オプション料金 ¥1,000〜3,000 程度
通院等乗降介助
原則は院外まで。 院内は 「身体介護」 として別請求 / 別サービス契約

待機 (診察中の付添い)

介護タクシー
待機料金として課金 (時間制)
通院等乗降介助
原則対応なし

家族同乗

介護タクシー
OK (基本的に1〜2名 まで)
通院等乗降介助
原則不可 (利用者 + ヘルパーのみ)

車椅子の貸出し

介護タクシー
事業者所有なら無料の場合も
通院等乗降介助
ヘルパーが介助、 車椅子は利用者持参

ストレッチャー対応

介護タクシー
対応車両を持つ事業者のみ
通院等乗降介助
ほぼ対応外 (寝台搬送は介護タクシー領域)

状況別フローチャート — どっち使う?

  1. 要支援 or 介護認定なし → 介護タクシー一択 (通院等乗降介助は使えない)
  2. 要介護1以上 + 通院だけ + 院内介助不要 → 通院等乗降介助 (圧倒的に安い)
  3. 要介護1以上 + 院内介助 (受診まで付添い) 必要 → 介護タクシー or 通院等乗降介助 + 身体介護を併用
  4. 要介護1以上 + ストレッチャー必要 → 介護タクシー (寝台車対応の事業者)
  5. 要介護1以上 + 買物 / 冠婚葬祭 / 観光 → 介護タクシー一択 (介護保険対象外)
  6. 要介護1以上 + 退院搬送 (病院から自宅) → 介護タクシー (退院時のケアは介護保険外のことが多い)
  7. 要介護1以上 + 家族の付添い必要 → 介護タクシー (家族同乗 OK)

実は併用してる利用者が多い

「平日の通院は通院等乗降介助、 月1回の墓参りは介護タクシー」 のように使い分ける家庭が多数派です。 同じ事業者が両方の許可を持っているケースも多いので、 まずは事業者・ケアマネに 「両方使い分けたい」 と伝えてみてください。

ケアマネに聞くときの質問テンプレ

  • 「通院等乗降介助で対応できる範囲はどこまでですか? (病院内の付添い・待機の可否)」
  • 「うちの場合、 通院等乗降介助と介護タクシー、 どっちが向いていますか?」
  • 「介護タクシーと通院等乗降介助を併用するケアプランは作れますか?」
  • 「同乗してくれるヘルパーさんは女性希望ですが、 対応可能ですか?」
  • 「ケアプランで通院等乗降介助を月何回まで組み込めますか?」
  • 「自治体の福祉タクシー助成券は、 介護タクシーの料金から差し引いてもらえますか?」

よくある誤解 Q&A

  • 「介護タクシーは介護保険で安くなる」 → ❌ 介護タクシー (福祉タクシー) は介護保険適用外。 自治体の助成券で多少安くなることはある
  • 「通院等乗降介助はどこにでも行ける」 → ❌ 通院・公的手続き等の限定。 買物・墓参りは対象外
  • 「タクシー会社なら全部一緒」 → ❌ 福祉タクシー業者と訪問介護事業所の指定は別、 両方の認可を取っている事業所は限られる
  • 「ヘルパーの院内付添いも自動でついてくる」 → ❌ 通院等乗降介助は乗降のみが基本。 院内付添いは身体介護として別契約
  • 「家族が一緒に乗れる」 → 介護タクシーは 多くの場合 OK、 通院等乗降介助は 原則 NG

事業者向け補足 — 利用者への説明スクリプト

説明スクリプト (3行で OK)

「介護タクシーは保険外で全額負担になりますが、 行き先や用途に制限がなく、 ご家族も同乗できます。 一方、 通院等乗降介助は介護保険で 1〜3割負担で済みますが、 対象が要介護1以上の方の通院や役所への外出に限られます。 用途と人数に応じて使い分けるのが得策です。」

領収書・請求書を分けて発行する

通院等乗降介助 (介護保険分) と介護タクシー (自費分) を併用する利用者には、 それぞれ別の領収書を発行する必要があります。 マゴライドなら、 同じ顧客に対して保険適用分と自費分を分けて記録・PDF出力できるので、 ケアマネ・市町村への提出書類もスムーズに作成できます。

よくある質問

Q.通院等乗降介助だけで院内の付添いはできますか?+
A.原則できません。 通院等乗降介助は車を降りるところまでで、 院内 (受診室・会計など) の付添いは別途 「身体介護」 として契約・請求する必要があります。 ケアマネに相談して併用ケアプランを組んでもらいましょう。
Q.要支援なのですが、 通院等乗降介助は使えませんか?+
A.使えません。 通院等乗降介助は要介護1以上が対象です。 要支援1/2 の方は介護タクシーを利用するか、 自治体の福祉タクシー助成券・移送サービスを活用してください。 自治体によっては要支援者向けの独自助成があります。
Q.介護タクシーで墓参りや旅行に行けますか?+
A.行けます。 介護タクシーは目的地・用途に制限がないため、 墓参り・冠婚葬祭・買物・観光 すべて利用可能です。 ただし全額自費になるので、 自治体の助成券があれば併用すると負担を軽減できます。
Q.通院等乗降介助の事業者は介護タクシーも併設してることが多い?+
A.そうです。 訪問介護事業所のうち、 自社で福祉タクシーの許可も取っている事業所が多くあります。 同じドライバー / ヘルパーが両方のサービスを提供する 「みなし2人体制」 が一般的。 ケアプランの相談時に 「両方使い分けたい」 と伝えれば、 1事業者で完結することが多いです。
Q.介護タクシーの料金は医療費控除の対象になりますか?+
A.通院目的での利用であれば対象になります (運賃・介助料部分のみ、 機材使用料は対象外)。 詳細は別記事「介護タクシー代は医療費控除の対象?」 で解説しています。
Q.通院等乗降介助でリフト車 (車椅子そのまま乗車) は使えますか?+
A.事業者次第です。 通院等乗降介助の事業所のうち、 リフト車を保有している事業所はそれほど多くありません。 車椅子そのまま乗車が必要な場合は、 事業所選びの段階で確認してください。 リフト車を使うと利用料金は上乗せになる場合があります。

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